
こんにちは、安田です。今年ももう残りわずかになってきて忙しくなってきましたね!さて、今回のブログは、ハウスクリーニングでもとても重要な洗剤についてのお話をしたいと思います。
洗剤についての【プロが教える】あれこれ!
今回は、家庭で使用している市販の洗剤やハウスクリーニングのプロが使用する洗剤などの成分や分類について、ちょっと細かい部分をお話ししたい思います。ちょっと専門的になるので少し難しいかもしれません。
形態による分類の大きな目的の一つは、水が元になっているか否かです。みなさんが普段使用している洗剤類は、ほとんどが水系洗剤になります。水系洗剤に有機溶剤が含まれている場合は、「準水系洗剤」と呼ばれています。水が配合されていない有機溶剤が主成分の洗剤は「非水系洗剤」といいます。
この水系洗剤の中に、みなさんの一般家庭の洗剤にもよく使われている「界面活性剤」があります。この界面活性剤について詳しく説明したいと思います。
洗剤のあれこれ!界面活性剤についての分類
界面活性剤は洗剤の主成分であり、洗浄効果を左右する大きな要素になります。そのため、使用する用途、目的によって適した界面活性剤の種類は違ってきます。
界面活性剤には、洗浄の働きだけではなく水の表面張力を弱めたり、サビを防止したり、殺菌したりといろいろな働きをするものがあります。その種類は数多くあり、最近ではそれぞれの界面活性剤をいろいろ組み合わせた洗剤も登場しています。
界面活性剤は大きく分けて4つの種類に分類できます。
- 陰イオン界面活性剤
- 陽イオン界面活性剤
- 両性界面活性剤
- 非イオン界面活性剤
1. アニオン界面活性剤ともいいます。水に溶けた際に電子を受け取ってマイナスの電荷を帯びた陰イオン性の親水基をもつ界面活性剤です。
マイナスを帯びているので、油やホコリなどのプラスの電荷を帯びた物質を吸収する働きがあります。洗浄力が強く、優れた起泡性があり、古くから石けんに使用されています。
乳化力は非イオン界面活性剤と比べると劣りますが、現在でも食器洗い洗剤や洗濯用洗剤などの合成洗剤に数多く使われています。
デメリットとして、10℃以下の低温時にはあまり性能が発揮されなくなります。
2. カチオン界面活性剤ともいいます。水に溶けた際に電子を放出して、プラスの電荷を帯びた陽イオン性の親水基をもつ界面活性剤です。石けんと逆のイオンのため、逆性石けんとも呼ばれています。
帯電防止や殺菌効果があるため、毛髪用のリンス剤であるトリートメントに利用されるほか、繊維への吸着性に優れているため柔軟仕上げ剤にもよく使われています。
商業施設やコンビニのトイレにある手洗い用の緑色の消毒用液体石けんが設置されていますが、これらは陽イオン界面活性剤が主成分です。
3.水に溶けた際に、アルカリ性の領域であれば陰イオン界面活性剤の性質を示し、酸性の領域でば陽イオン界面活性剤の性質を示す界面活性剤です。
他の界面活性剤のような、いわば洗剤の主役ではなく、多くは他の界面活性剤の補助剤として使用されています。
4.ノニオン界面活性剤ともいいます。水に溶けた際にイオン化しない親水基をもつ界面活性剤で、水の硬度や電解質の影響を受けにくく、他の界面活性剤と併用することも可能です。
非イオン界面活性剤は分子内の主要な結合により、洗浄剤として使用するケースは稀なエステル型と、主に洗浄剤として利用されるエーテル型、混合タイプのエステル・エーテル型に区分されます。
最近では洗剤の主力である陰イオン界面活性剤と二分するほど、非イオン界面活性剤の洗剤の割合が増えてきています。
一般に洗浄力や分散力は低温時も含めて陰イオン界面活性剤よりも優れている面がありますが、60℃以上の高温だとあまり洗浄効果が発揮されないのが欠点です。
洗剤について、お話が長くなりそうなので今回はここまでにさせていただきます。次回は、洗剤を構成する成分(主剤、補助剤など)について詳しくご紹介したいと思います。
ハウスクリーニング洗剤についての【プロが教える】あれこれ!その2
なお、今回のブログ内容は、クリーンシステム科学研究所「石とメンテナンス」という著書を参考にしています。
以上、安田でした。
最後までお読みいただきありがとございました。